お知らせしました今週末の舞台公演の、明朝は小屋入り。
思えば2002年に、大学劇研の大先輩 福地さんの誘いで40CARATに参加して、今年でまる10年であった(早いもんだ、とつぶやく)。少しして福地さんは劇団女優と結婚し退団、僕はそのまま。
初参加の「斜岩病院ラプソディー」では、主宰 花山氏が公演ごとに役者を集めるプロデュース形式であった。次作で劇団化するときに僕が残ったのは、花山氏は「意外だ」と言っていたな^^ それまで芝居から離れていた7年間ずっと、内面はモヤモヤくすぶっていたのであった。
芝居にかかわっていると、ほんとーにいろんな人がいるのですが、「金にならないことに一生懸命」という点で、おおむね共通しているw 僕らのような集団はもちろんのこと、名の知られた方々でも、(知る限りでは)同様だ。
僕自身、公演前にチラシを配ったりしていると、「なんでそんな金にならないことやってんの?」と訝しまれることがある。が、自分にとってそれはナンセンスな問いで、ほとんど答えようが無い。
けど、考えてみたら当たり前のことじゃないのかな。
太古の昔、どれだけ原始的な社会においても、それが「社会」である以上は、「金にならないこと」が存在したんじゃないかな。食べものを得るだけで人は生活していたのではない、と思う。
さまざまな芸術の中でも、演劇は特に「人間」とか「(広い意味での)生命」に近しい存在である気がする。何せ、このデジタルでヴァーチャルな現代において、世阿弥やシェークスピアやソポクレスの時代と変わらず、ステージ上では生身の人間が動くのだ。そしてステージ裏では、さらに生身の人間模様がたくさん蠢くのだw 単純な言い方をすれば、芝居にたずさわる人間は、(たとえ表面上はそう見えなくても)「人間が好き」な人間が多い感じがする。
金にならないことに血道を注ぐのを不思議に思うのがふつう、という感覚を持つこと自体、すでに毒されているのだろう。
いち早く脱原発を表明した城南信金の理事長 吉原毅さんが、「経済至上主義、原発推進の側のように見られる金融業界とか企業経営者が、原発反対表明をすることが意外だ、と考えること自体が毒されている」といった意味のことを言っていた。本来は世の中のどんな仕組みであれ、人間や生命を無視したものではなかったはずだ。
そんな意味でも、「金にならないこと」を軽視し、人間を「人口」とか税収といった数値としてしか捉えない勢力とは、戦っていかねばならない、と思う。戦いのかたちは、いろいろある。
・・・ずいぶんと前置きが長くなってしまいましたがw 今週の金曜から日曜まで、王子の小さな劇場で芝居をやっとります。
劇団の今回の試みとして、役者陣をほぼ劇団内部でまかなう(贅沢なことに、仮面をつけたアンサンブルとして客演の役者さんたちの多くを配しています)。また、中・短編2作品を同時上演します。
劇場は50席ほどととても小さく、座席は「日時指定」とさせていただきました。
またご来場の際は、劇場の都合上、途中入場がむずかしい場合がありますので、お時間に余裕をもってお出かけください。
師走のとてもお忙しい時期と思いますが、ご覧いただけたらとても嬉しいです。ご予約やお問い合わせなど、お気軽にご連絡ください。
部屋の旧暦カレンダーを見ると、ああ今日水曜は、二十四節気の21番「大雪」でした。「閉塞成冬(空寒く冬となる)」。
寒くなりますので、どうぞあたたかくして。
ではでは。
PS:写真3枚目は、トラックを待つ稽古場前の夕日です。
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劇団40CARAT 第27回公演「蝶々、蝶々、わたしにとまれ」
作・演出:花山ら楽
2011年12月9日(金)~ 11日(日)
http://www.40carat.com/
劇場:pit/北区域
(京浜東北線「王子駅」北口 徒歩5分)
http://www.h7.dion.ne.jp/~babylon/pit_3.htm
東京都北区王子1-13-18 東海第二ビル地下1・2階
03-3927-5482(10~20時)
開演時間:
12/9(金)19:30
12/10(土)14:00/19:00
12/11(日)13:00/18:00
開場は45分前です。
前売 2800円
当日 3000円
日時指定・自由席
中・短編2作品(「スカラベ・サクレ」、「蝶、小さな日々」)を上演します。
途中に休憩がございます。
劇場ギャラリーにて、宣伝美術担当の遠藤麻由の作品展示を行います。
開演前や途中休憩のお時間に、ぜひご鑑賞ください。
* * *
都会で冬の蝶々探す老人と、海を渡る冬の蝶々たち。
蝶々、蝶々、菜のはにとまれ
菜のはに飽いたら桜にとまれ
桜の花の花から花へ
とまれよ あそべ
あそべよ とまれ
可愛いあの娘は嘘つきさん
娘さんのお口から蝶々が飛んでったなんて
可愛いあの娘は嘘つきさん
母さん、蝶々の羽根をむしって紡いでるって
可愛いあの娘は嘘つきさん
父さん、左右の半陰陽の蝶々を抱いてるなんて
可愛いあの娘は嘘つきさん
雪のしじまにシンシンと蝶々が降ってきたなんて
可愛いあの娘は嘘つきさん
千二百キロの海を渡った蝶々がいるなんて
* * *
出演:
鹿又隆志
鈴ノ木まろ
山田香
千賀亜希子
KUNI
佐々木真理
荒巻真奈美
玉越裕紀
中恵洋輔
ヴィン・ボー(猫☆魂)
船津純子
八日市紋子
岩下大地(FPAdvance)
上原ミユキ
演奏:
渡辺勝(Vocal & Gut Guitar)
竹岡隆(Electric Bass)
スタッフ:
舞台監督 中島オサム
照明 山田真輔(日高舞台照明)
衣装 津久井瑠璃子
演出助手 増田ケイスケ/本家徳久
振付 KUNI(Beyond)/ Uzuran
音響効果 増田ケイスケ
宣伝美術 遠藤麻由
舞台写真 名鹿祥史
撮影 田中健二
WEB制作 山田りんたろう
制作 鈴木稀紀子/山田香